研修会名:令和6年度施設経営セミナー
日 時:令和6年7月31日(水) 10:00~15:00
場 所:ホテル青森3F「あすなろ・はまなすの間」及びWeb
講 師:社会保険労務士法人ワーク・イノベーション 代表 菊地加奈子 氏
概 要:
この研修は、主に労務管理や保育現場における課題解決に焦点を当てた内容で構成されており、保育者の労働環境改善や適切な労務管理の重要性について具体的な事例を交えながら説明が行われた。特に、保育者の過重労働や労働条件の不透明さがもたらす影響、またそれが保育の質や職員のモチベーションに与えるリスクについて深く掘り下げられている。
さらに、適正な労務管理のための具体的な手法や、労働法に基づいた対応策についても紹介され、職場におけるコンプライアンスの徹底が強調された。最終的には、労働環境の改善が保育者の離職防止や保育の質向上に繋がることを目的としている。
講演の概要は以下の通りである。
■講演1「保育施設の労務管理と処遇改善等加算の実務について」
1.子どもを取り巻く環境の変化
・少子化と共働き家庭の増加
・育児休業の影響と新たな課題
・保育士の役割の変化
2.保育の現場における労務管理上の問題点と解決策
・労務管理の重要性
・具体的な労務管理の課題
・ハラスメントとメンタルヘルス
3.処遇改善等加算の基本と実務
・処遇改善等加算の概要
・加算率の計算と運用
・賃金改善の実務対応
■グループワーク「保育現場あるあるを考える」
・テーマ1:労働時間・休憩・休日に関すること
・テーマ2:労働条件・処遇改善・キャリアパスに関すること
■講演2「働きやすい職場を実現するために」
1.メンタルヘルスと職場環境
・メンタルヘルスの重要性
・ストレスとバーンアウトの具体例
・モチベーションと働き方改革
2.多様な働き方
・女性の労働力参加と多様な働き方
・保育の多機能化と雇用形態の多様化
・キャリアの多様性とパートの戦力化
3.人事評価とキャリアパス
・人事評価の重要性
・キャリアパスの構築
・評価制度の意義
4.リーダーシップと組織マネジメント
・リーダーシップの多様な形
・成長するリーダーの特徴
・組織目標の設定と進捗管理
■総括
本研修会を通じて、保育現場が直面する多岐にわたる課題とその解決策について、幅広く議論された。現代の保育環境は、少子化や共働き家庭の増加、多様な働き方の推進など、社会の変化に伴い、従来とは異なる複雑なニーズに対応することが求められている。
・今後の展望
今後、保育施設の運営状況の開示が強化されることを踏まえ、負担が増えると捉えるのではなく、求職者や保護者に自園をアピールする好機と捉え、積極的に情報を開示していくことが求められる。また、健全な運営を維持しつつ、多様な働き方を推進し、人事制度を整備することで、より魅力的な職場環境を構築していくことが重要である。