研修会名:令和6年度接遇・マナー研修会
日 時:令和6年11月12日(火) 12:50~15:00
場 所:オンライン(Zoomミーティング)
講 師:Eggコミュニケーション 代表・アドバイザー 藤田みよこ 氏
概 要:
本研修は、職場内外で円滑なコミュニケーションを図るために必要な接遇やマナーの基礎知識を習得することを目的として開催された。本研修は、これまで新任保育者研修会の一プログラムとして実施されていたが、今年度より全ての保育者を対象に独立した研修として位置づけられた。接遇やマナーは、新任者だけでなく全ての保育者にとって必要不可欠であり、保護者との信頼関係や職場内の円滑なコミュニケーションに直結するスキルである。さらに、接遇・マナーは時間の経過とともにおろそかになりがちなため、こうした研修を定期的に受講し、現場の意識を維持・向上させることが重要である。
講義・演習の概要は以下の通りである。
■講義・演習
「保育者に必要な接遇・マナー」
1.組織の一員として
保育者は、職場内外の多様な関係者と協力しながら、安全で安心できる保育環境を実現する必要がある。そのため、社会人としての責任と組織の一員としての自覚を持つことが求められる。
・利害関係者との関係構築
保育施設には、理事長や園長、保護者、行政機関など多くの利害関係者が存在する。これらの関係者との信頼を築くことが、組織としての信頼性を高める。
・コンプライアンスの遵守
法令遵守はもちろん、利害関係者との信頼構築のために、社会的規範を守る必要がある。特に、個人情報の適切な取り扱いやSNS利用時の注意が強調された。
・リスクマネジメント
保育現場での事故防止やハラスメント対策が求められる。リスク管理の仕組みを整え、迅速に対応できる体制を築くことが重要である。
2.保育者に必要な基礎マナー
保育者は、社会の中で信頼される存在でなければならない。そのためには、身だしなみや言動を通じて、信頼される印象を与えることが不可欠である。
・身だしなみ
清潔感、控えめな服装、安全性を考慮した装いが求められる。髪型や服装、アクセサリーに至るまで、保育者としてふさわしい外見が重要である。
・挨拶と表情
挨拶は基本的な社会スキルであり、子どもたちにもその重要性を教えるべきである。笑顔を心がけることで、良好な人間関係を築くことができる。
・時間の管理
時間厳守の意識を持つことが信頼関係を築く基礎となる。余裕を持った行動計画が求められる。
3.保育者に必要な応対マナー
保育現場では、保護者や同僚、その他の関係者と適切にコミュニケーションを取る能力が必要である。応対の質は、施設全体の印象に直結する。
・保護者対応
保護者との信頼関係を築くため、丁寧な言葉遣いや態度が必要である。特に、トラブル発生時には、誠意を持って迅速に対応することが求められる。
・敬語の使い方
尊敬語、謙譲語、丁寧語を適切に使い分けることで、相手に敬意を示すことができる。正しい敬語を習得することが信頼性向上につながる。
・物の受け渡し
書類や子どもたちの作品を保護者に渡す際、両手で丁寧に行うことで、信頼感を高めることができる。
4.コミュニケーション
保育者間の良好なコミュニケーションは、職場環境の改善と保育の質向上に直結する。信頼を基盤としたチームワークが重要である。
・意思表示の明確化
返事やリアクションを明確にすることで、仕事への意欲を伝えることができる。また、相手の意図を正確に確認し、的確な行動を取ることが求められる。
・情報共有の徹底
チーム全体での情報共有を円滑に行うことで、ミスやトラブルを防止できる。特に、引き継ぎやスケジュール管理が重要である。
・メンタルヘルスのケア
職員同士がストレスを軽減し合える環境を作ることが、保育現場の働きやすさを向上させる。
■研修の成果
本研修では、身だしなみや言葉遣いといった基本的な要素から、保護者対応やチームワークに至るまで、幅広い内容が扱われ、参加者は接遇・マナーの基礎を理解し、保育現場で即実践できるスキルを習得した。
・接遇・マナーの基礎理解の向上
参加者は、保育者としての基本的なマナーや接遇の重要性を再認識し、職場での実践に役立つ具体的なスキルを習得した。
・保護者対応力の向上
保護者との良好な関係構築に必要なコミュニケーションスキルを学び、保護者からの信頼を得るための具体的な方法を理解することができた。
・職場内コミュニケーションの改善
チームワークを高めるための具体的な方法が共有され、職員間の円滑な連携を支える知識が得られた。
・実践力の強化
ロールプレイ形式の演習を通じて、日常業務に応用可能なスキルを体験的に学び、実践力を強化する機会となった。
■今後の展望
今回の研修で得られた知識とスキルを活用し、保育現場での信頼関係の構築や働きやすい職場環境の実現に向けた取り組みが進められることが期待される。
・職場内でのコミュニケーション改善に向けた具体的な施策の実施
・保護者対応における信頼関係の強化
・定期的な研修を通じたスキルの向上と組織全体のマナー意識の向上
特に、接遇・マナーは日々の業務の中で習慣化されるべきものであり、時間とともに薄れがちな意識を維持するためにも、今後も定期的な研修の開催・受講が必要と考える。