青森県保育連合会
会長 渡邊 建道 (五所川原市 みどりの風こども園ひろた 園長)
新型コロナウイルス感染症が感染症法上の第5類に位置付けられて約1年が経ちました。今では「PCR検査」や「濃厚接触者」といった言葉が記憶から薄れつつあることに不思議な感じがします。この4年で、保育や行事のあり方や保護者との関わり方が微妙に変わってしまったようです。保育現場ではマスクを外したがらない保育者が一定数いるなど、保育者間でさえ感染症への意識差がある中で、それぞれの施設においては保育におけるニューノーマルの確立が急がれます。
昨春のこども基本法の施行、こども家庭庁の発足に続き、今春は、76年ぶりとなる保育士等の配置基準の見直し、令和8年度からの本格的施行を見据えた「こども誰でも通園制度」(仮称)のモデル事業の更なる全国展開、地域における子育てに関する身近な相談機関、いわゆる「かかりつけ相談機関」としての取り組みの努力義務化、こども家庭ソーシャルワーカー資格制度の開始など、子ども・子育て政策が、かつてないほど大きく動き出しています。また、5年を1期として平成27年度から始まった子ども・子育て支援新制度は、10年目(2期目の最終年度)に突入しました。しかしながら、これら一連の動きは、私たち保育者が常々思い描いている子どもの育ちや保育のあり方とは、まだまだ大きな乖離があることは否めません。
制度政策の動向も気になるところですが、私たち青森県で保育事業に関わる者にとって喫緊の課題は、予測をはるかに超える厳しい少子化による園児の減少と、それに伴う経営と運営の悪化です。青森県保育連合会では3年前より「人口減少地域保育課題検討特別委員会」を立ち上げ議論を重ねてきましたが、今年度1年をかけて最終まとめを行い、会員施設に向けて有益情報と有効策をご提案する他、関係団体と連携協働して国や自治体への要望活動を強化していく所存です。
本会は、乳幼児期にある子どもたちの健やかな育ちを支え、保護者の就労や介護等を支え、保育者の自己実現と生活を支えるために日々奮闘している400余りの会員施設が【共に支え合うための団体】です。子どもたちの現在と未来の幸せの実現のために、そして、保育者がもっと・ずっと輝き続けるために、更には、地域の公的保育の営みが存続し続けるために…令和6年度も役職員及び支部並びに会員施設が一体となって事業を強力に推し進めて参ります。