組織及び活動
1・基本方針
令和6 年度、国においては、「保育施策の新たな方向性」を公表し、これまでの待機児童対策を中心とした「保育の量の拡大」から、「質の高い保育の確保・充実」等への転換を公表しました。この「新たな方向性」に基づき、地域の課題に応じた保育提供体制の確保、職員配置基準等の更なる改善が進められることになります。また、「こども誰でも通園制度」については、「すべての子どもの育ちと子育て家庭の支援」を目的に、令和7 年度は「乳児等通園支援事業」として事業化され、令和8 年度からは給付事業として本格実施されることになります。
全国的に人口減少が進む中で、保育所・認定こども園等をめぐる状況はいっそう厳しくなってきており、地域の中の保育機能をどう維持していくのか、一刻の猶予も許さない課題となっています。県保連では、4年前より「人口減少地域保育課題検討特別委員会」を設置し、これまで人口減少に伴う保育所・認定こども園等(以下「保育所等」)の状況把握と課題整理を重ね、このほど『最終報告』の発刊に至りました。しかしながら、公立施設ほぼ0の青森県においては、1年に数か所ずつ保育所等の休廃止が見られるようになり、保育所等の空白地域も生じ始めているなど、状況は深刻さを増しています。引き続き、人口減少地域の保育課題の解消に向けての諸制度の充実に向けて、全国保育協議会等と連携しながら、国や自治体に対する情報提供や要望活動を進めていかなければなりません。
青森県は全国的にも1,2 を争うような勢いで少子化が進行しています。県においては昨年10月に、2040 年を目標に合計特殊出生率2以上を達成し、純移動率を反転させることを目指して『こども・子育て「青森モデル」…こどもへの投資が青森県の未来を拓く…』(以下「青森モデル」)を発表しました。しかしながら、少子化をめぐる問題は、青森モデルで総花的に示された方策ではなかなか解決が難しく、社会全体の根底に横たわる労働者の生活問題と直結しています。そして、私たち保育労働もこの渦の中に巻き込まれていること、すなわち、一向に進まない働き方改革、なかなか縮まらない賃金格差等、いまだに「支える人を支え切れていない」状況にあります。そういう意味では昨年の夏に発足した「青森県保育・幼児教育5団体協議会」は、青森県の少子化をとりまく鬱屈した状況に風穴を開け、新しい風を吹き込む一助となるものと大いに期待されます。
すべての子どもは、豊かな愛情の中で心身ともに健やかに育てられるかけがえのない存在であり、保育所等においては、子どもの最善の利益を守るための不断の取り組みが重要です。こども基本法、こども大綱、こどもまんなか実行計画、そして、はじめの100 か月の育ちビジョン、これら一連の趣旨に基づき、私たちは今一度、自らの立ち位置を見つめ直し、それぞれの責務の確かな遂行に努めていかなければなりません。
このような情勢を踏まえ、令和7 年度は、県内の保育所・認定こども園の8 割からなる会員施設及び6 支部と連携を図りながら、事業の更なる充実を図って参ります。特に、保育関係者の叡智を結集するとともに次代の保育者の参画を期待し、「あおもり保育未来創生会議」(仮称)を創設し、保育関係者の、保育関係者による、保育関係者のための情報交換と協議、交流等の機会を講じて参ります。また、令和7 年度からの「保育所等における継続的な経営情報の見える化」の開始等、いよいよ保育ICT から保育DX へのステージ移行を見据えつつ、「ICT・DX 推進特別チーム」(仮称)を設置し、研修事業等へのWeb やSNS の活用や会員支援を進めて参ります。
以上を令和7 年度の事業開始にあたっての所信といたします。
2・諸会議の開催
1.定 期 総 会 年1回
2.臨 時 総 会 必要に応じて開催
3.理 事 会 年3回
4.常 務 理 事 会 年5回及び6の「部会会議」、7の「その他の会議」を主管
5.正副会長会議 必要に応じて開催
6.部 会 会 議 総務広報部会 年5回、研修研究部会 年6回、保育部会 年4回、給食部会 年3回
7.その他の会議 県議会環境厚生委員会との懇談会、県をはじめとする行政との懇談会、保育者養成校との懇談会、監事監査会、支部長会議、あおもり保育未来塾、青森県保育・幼児教育5団体協議会(代表者会議・協議員会議等)、あおもり保育未来創生会議(仮称)等
3・各種会議への参加
1.全国保育協議会(全国保育士会)協議員総会
2.全国保育組織正副会長等会議
3.北海道・東北ブロック保育協議会(保育士会)各道県正副会長会議
4.北海道・東北ブロック保育協議会幹事会
5.青森県社会福祉審議会、青森県子ども・子育て支援推進会議、青森県福祉人材センター運営委員会等、青森県及び青森県社会福祉協議会等が主催する児童福祉・保育・幼児教育等に関する会議
6.青森県保育連合会支部総会、研修会等
※各支部の要請により、随時役員が支部に出向いて中央情勢等について説明をする。
4・研究大会・調査研究等の実施
1 青森県保育研究大会
2 北海道・東北ブロック保育研究大会
3 北海道・東北ブロック保育協議会 公立保育所等トップセミナー
4 全国教育・保育研究大会
5・部会活動
1.総務広報部会
(1)保育事業振興対策事業
1) 全国保育協議会と連携を深めながら、保育所や認定こども園をはじめ、子ども・子育てを取り巻く制度の充実や改善に向けた運動に参画する。
2) 地域における子育て支援の拠点として、また、子育て文化の中核を担う保育事業の重要性について広く県民に啓発するための活動を展開する。
3) 国や県等の行政機関ならびに議会、保育関係団体、保育士養成校等との懇談会等を実施し、積極的な情報交換や提言等を行う。
(2)組織の強化推進
1) 会員施設等との保育制度等に関する幅広い意見交換や支部活動への支援を行いつつ、保育組織の強化ならびに活動の充実を図る。
2) 組織全体の事業推進や支部活動の支援等に伴う庶務を担当する。
3) 必要に応じて、規則・規定の見直しの検討を行う。
4) 中・長期的視点に基づき、事業全体の見直しの他、会費や会員規定等についての検討を進める。
(3)会員施設への情報提供・広報活動
1)機関紙『県保連だより』の発行(年2回:7月、12月)
2)機関誌『ほいっくす。』の発行(年1回:3月)
3)ホームページによる情報提供(随時更新)
4)一斉メール配信による情報提供
(4)表彰事業
1) 青森県保育連合会表彰規程による表彰の他、全国保育協議会長、全国保育士会長、青森県社会福祉協議会会長ならびにその他の表彰推薦を行い、功労者等の顕彰をする。
(5)印刷物・図書の斡旋等
1) 児童票等の印刷物ならびに図書・書物等の斡旋を行う。
(6)その他
1) 適宜、常務理事会及び他の部会の事業ならびに青森県保育・幼児教育5団体協議会に参画・協働する。
2. 研修研究部会
(1)会員の資質向上と保育の質の向上に向けて、保育に関する制度や施設マネジメントの理解や、保育・給食等の職務遂行に必要な知識・技術を習得するため、以下の研修を実施する。
1 接遇・マナー研修会
2 給食・食育研修会
3 施設経営セミナー
4 主任・主幹保育者研修会
5 保育者研修会
6 ミドルリーダー研修会
7 新任保育者研修会
8 保育実技研修会
9 保育・未来フォーラム
10 子育て支援員フォローアップ研修会
11 次世代保育セミナー
*あくまでも講師やテーマ等は予定であり、講師の都合等で変更となることがあります。
*保育者の健康や職場環境改善を基盤とし、現場の基盤を整え、保育の質向上と子どもの成長支援を目指す『保育者が輝く未来が、子どもたちの未来を創る—保育のWell-Beingと保育の質向上』をメインテーマとし、職種や経験別に必要な学びを連続的に企画します。
*各研修は、全国保育士会が職種・職位・経験別に作成した「保育士・保育教諭のキャリアアップにおける階層と期待される保育士・保育教諭像及び業務にあたって必要な知識と技術」(平成29年6月)を踏まえて「ねらいや内容」を企画し、受講者が体系的かつ俯瞰的な学びができるよう努めます。
*研修の一部については、累積60時間とする認定こども園の処遇改善加算Ⅱの受給要件に適うものとして県の指定を得て開催し、できる限り非会員も受講できるよう配慮します。
*多くは「参集型」を基本としますが、可能な限り「ライブ中継」や「録画配信」での受講も可能なよう努めます。また、青森市だけでなく県内各地で分散・巡回して開催することも検討します。
*保育を取り巻く情勢変化を踏まえ、保育事業に必要な知識・技術の理解促進を図ることが必要な場合や、子ども・子育てをめぐって新たな問題が生じた場合には、常務理事等が講師となる等して、随時オンラインでの説明会や研修会を開催します。(タイムリー型研修)
(2)保育や子ども、施設経営等に関する共同研究活動に参画し、または個人研究活動を進め、青森県保育研究大会や次世代保育セミナー等で研究成果の発表を行う。
(3)その他、適宜、常務理事会からの指示に基づき、保育士等キャリアアップ研修等の企画・運営にあたる。
(4)適宜、常務理事会及び他の部会の事業に参画・協働する。
3. 保育部会
(1)保育士・保育教諭等、保育者に関わる研修会等の企画、運営に参画する。
(2)保育者の研修体系のあり方の検討や社会の変化に対応した保育内容の研究と情報発信。
(3)全国保育研究大会ならびに全国保育士会研究大会等に参加する。
(4)適宜、常務理事会及び他の部会や、あおもり保育未来塾など他事業に参画・協働する。
4. 給食部会
(1)保育施設等に従事する給食担当者が、給食・食育に関する専門知識や技術等を深めるための研修会等の企画、運営に参画する。
(2)保育施設等における給食・食育の充実に向けて、食物アレルギーや給食事故防止、災害時の非常食の在り方について研究を進め、保育施設等の特性を活かし保育と一体となった食育の推進を行う。
(3)「保育所等給食ガイドライン」(改訂)への理解を深め、保育施設等における食事提供の在り方について周知をはかり実用性に留意する。
(4)全国保育研究大会ならびに全国保育士会研究大会等に参加する他、適宜、常務理事会及び他の部会の事業にも参画・協働する。
6・その他の会議等
1.あおもり保育未来塾
(1)保育制度や施設経営等々、保育における様々な疑問や課題等について語り合い、研究等を進める。
(2)青森県保育研究大会、次世代保育セミナー等の各種研修会において研究発表等に参加する。
(3)適宜、常務理事会及び他の部会の事業ならびに全国保育協議会人材養成会議参加者・保育活動専門員連絡会(仮称)に参画・協働する。
2. 人口減少地域保育課題検討特別委員会
(1) 人口減少地域における保育施設経営と運営上の問題や課題等についての情報収集、検討協議、会員施設への情報提供を行う。
(2) 必要に応じて調査研究を実施するとともに、行政をはじめ関係機関・団体へ提言・共同研究等を行う。
(3) 適宜、常務理事会及び他の部会の事業に参画・協働する。
3. 青森県保育・幼児教育5団体協議会
(1) 日本保育協議会青森県支部、青森県私立保育協会、全国認定こども園協会青森県支部ならびに青森県私立幼稚園連合会と、青森県の子ども・子育てをめぐる諸問題・諸課題を共有すると共に、今後の保育・幼児教育施設のあり方について協議する。
(2) 必要に応じて青森県や県議会等への要望活動や子ども・子育てに関する催事を行う。
4. あおもり保育未来創生会議
(1) 人材養成会議としての研究活動及び保育活動専門員としての経験を活かし、子ども・子育てをめぐる諸状況を共有しつつ、保育事業の経営と運営の諸課題を協議する。
(2) 必要に応じて本会の諸事業に参画する。
7・受託事業の推進
(1)「地域の子育て支援の充実と福祉の向上に資すること」を図ることを目的として、青森市ファミリー・サポート・センター事業を青森市からの委託事業として運営する。
(2)令和7年度青森県保育士等キャリアアップ研修事業の参画を目指して準備を進め、事業受託の際には組織的・計画的な運営を進める。
(3)令和7年度青森県子育て支援員研修事業への参画を目指して準備を進め、事業受託の際には組織的・計画的な運営を進める。
8・各支部の活動
1)東青支部
総会・会議等|総会、役員会、監査会、他
研修・講演
○施設長研修会
○主任・主幹保育者研修会
○保育者研修会
○給食部会研修会
その他
○定期的な情報発信
○青森県保育連合会 総会
○関係他団体との情報交換会等
2)津軽南支部
総会・会議等|総会、役員会
研修・講演
○施設長研修
○保育士等キャリアアップ研修 3分野(弘前市保育研究会と共催)
○給食施設栄養管理指導研修会
その他
○青森県保育研究大会 分科会発表
3)三八支部
総会・会議等|三八支部役員会議 開催、地区保育会会議 必要に応じ開催
研修・講演
○保育園の危機管理について
○保育研修会
○その他必要と認められる研修
その他
○青森県保育連合会「保育研究大会」の研究発表に向けた研究事業の継続、および会員の資質向上を目指し「保育をめぐる情勢」、「これからの保育の動向」等、幅広い研究会を継続して行う。
4)西北五支部
総会・会議等|総会、監査会、役員会、施設長会議、施設長部会、保育部会、給食部会、文化広報部会
研修・講演
○施設長研修会
○保育部会研修会
○給食部会研修会
その他
○広報誌発行
○会員名簿発行
○令和7年度 青森県保育研究大会
5)上十三支部
総会・会議等|総会、監査会、支部会議、各地区役員会、各部会 等
研修・講演
○適切な発達支援について
○子育て支援のありかた・保護者支援と対応について
○感染症対策について
○不適切な保育について
○食育、食物アレルギーについて
○アプローチカリキュラムについて
○小学校との接続について
その他
○令和7年度青森県保育研究大会 発表園(三沢市)
○北海道・東北ブロック保育研究大会に向けての研究
○関係機関との情報交換
6)むつ支部
総会・会議等|総会、役員会、リーダー会議、施設長部会、主任保育士部会、保育士部会、給食部会、用務員部会、事務部会、看護師部会
研修・講演
○給食研修会(調理実習等)
○各部会ごとの研修(オンライン研修等)
○施設長研修
○主任研修
○保育士研修会
○その他、必要な研修会
その他
○関係機関との情報交換