令和7年度 保育実技研修会
日時:令和7年10月1日(水)
場所:ホテル青森
講演1 「選んで、飾って、シェアして楽しむ絵本時間」
絵本カフェ「絵本とさんぽ」 オーナー 関口 綾 氏
- 絵本選び(年齢の目安を参考に、子どもの姿に応じた選び方のポイント)
・6ヶ月未満 心地よいリズムや音、コントラストのはっきりした絵がおすすめ
『くっついた(三浦太郎 作)』 『ごぶごぶごぼごぼ(駒形克己 作』など
・6ヶ月~1歳3ヶ月未満 シンプルでわかりやすい形や色を楽しめる・繰り返しがあり安心できる絵本
『あおいよるのゆめ(ガブリエーレ・クリーマ 作)』など
・1歳3ヶ月~2歳未満 「これなーに?」と一緒に指差しできる絵本や身近な生活を描いた絵本
『いちごさんがね(とよたかずひこ 作)』『ちっちゃなミッケ!(ジーン・マルゾーロ 作)』など
・2歳 繰り返しのあるお話・身近な生活・自然を描いたもの・紙芝居のようにわかりやすい展開
『いろいろおしたく(えがしらみちこ 作)』『紙芝居『ニャーオン(都丸つや子 作)』など
・3歳 感情移入しやすいストーリー・リズムや音を楽しめる・友だちと一緒に見て盛り上がる
『もじもじこぶくん(小野寺悦子 作)』など
・4歳 空想や冒険の世界を描いたもの・なぜ?どうして?を答えてくれる絵本
『ラチとらいおん(マレーク・ベロニカ 作)』など
・5歳 昔話や民話、少し長めのストーリ性のある絵本・知らなかったことがわかる本
『へいわとせんそう(たにかわしゅんたろう 作)』など
・6歳 童話や詩・言葉のリズムを味わえるもの・知識絵本・図鑑・心に余韻を残す絵本
『ウラパンオコサ(谷川晃一 作)』『ミッフィーとほくさいさん(国井美果 作)』など
- 絵本の棚づくり(子どもが自分から手を伸ばし、いろいろな絵本と出会える棚をめざして)
〇棚づくりのポイント
・背表紙を向けて →たくさん入る
・表紙を向けて(子どもの目線の高さに合わせて)→わかりやすい
〇こんな絵本をピックアップするのがおすすめ
・導入に使える絵本・テーマのある絵本・季節を感じる絵本
- 体験シェアタイム(参加者同士で実践例や工夫を共有)
自己紹介を行い、それぞれが選ぶ絵本のタイトルや推しポイントを共有した。
♢選書は気軽に、楽しく。その時のタイミングや、なんとなくこれ!というひらめきを大切にする。
大人が楽しんで絵本を選ぶ姿を見せることで、子どもが絵本に興味を持つ。
講演2 『幼児の体力・運動能力を考慮した幼児期に必要な運動あそび(多様な動き)について』
八戸学院大学短期大学部 幼児保育学科准教授 本吉 好 氏
◎子どもの能力・運動能力の問題点について
・体力・運動能力の低下
・子どもの生活習慣病の増加
・3つの間(遊ぶ仲間・遊ぶ空間・遊ぶ時間)の減少
・生活が便利になり、体力や運動量の必要がない
→身体活動量が足りない
◎運動はなぜ必要なのか
・体力・運動能力の向上 ・社会適応力の発達
・健康的な体の育成 ・認知的能力の発達
・意欲的な心の育成
・運動を調整する能力の発達を促すために多種多様な動きの運動遊びを取り入れることが大切
→怪我を予防する動きづくりにつながる
◎運動をする上でのポイント
・毎日、合計60分以上体を動かす(中高強度の身体活動)
・多様な動きを取り入れる
・楽しく体を動かす
・発達の特性に応じた遊びを提供する
♢「運動あそび(体を動かすこと)が好き!楽しい!」と思う内発的動機づけが大切であり、伸ばしていきたい部分。また、「できた!」という達成感が幼児期の成功体験となることで自信や意欲となり、学習面での向上にもつながる。