研修会名:令和7年度子育て支援員フォローアップ研修会
日 時:令和8年1月9日(金) 13:30~16:20
場 所:オンライン(Zoomミーティング)
講 師:
・講演1:濱谷 伊利子 氏(青森県保育連合会 保育部会 副部会長)
・講演2:松浦 淳 氏(青森中央学院大学客員研究員/青森中央短期大学等 非常勤講師/青森市教育委員/保育所等訪問支援員)
概 要:
本研修は、子育て支援員資格取得後、保育現場で実務に携わる支援員を対象としたフォローアップ研修として開催された。開催要項に示されている通り、本研修の目的は、子どもの発達理解や関わり方を改めて学び直し、現場で抱えている疑問や悩みを整理することで、子育て支援員がより一層保育現場で力を発揮できるよう支援することにある。
基礎研修で得た知識を実務経験と結び付け、自らの実践を振り返りながら再整理し、専門性を高めることを目的とする点に本研修の特色がある。資格取得後の実践を踏まえた学び直しの機会として実施された。
研修の概要は以下の通りである。
■講演1
「保育あるある/こんなときどうする?」(13:40~15:00)

基礎研修で学んだ保育の基本理論(養護と教育の一体性、生活場面と発達支援の関係等)を、実際の保育現場の事例と照らし合わせながら再確認する内容であった。
主な内容は以下の通りである。
・保育は「養護と教育を一体的に展開するもの」であること
・子育て支援員の関わりは、子どもにとって安心の拠り所となる存在であること
・基本的生活習慣(食事・睡眠・排泄・着脱・清潔)は、心身の発達と社会性の基盤であること
・乳児保育の「3つの視点」(健やかに伸び伸びと育つ/身近な人と気持ちが通じ合う/身近なものと関わり感性が育つ)
・保育所保育指針の5領域との関連性
また、食事・着脱・清潔場面の具体例を通して、「ねらい」と「配慮」を踏まえた関わりの重要性が示され、生活場面そのものが発達支援であることが改めて確認された。
グループディスカッションでは、実務経験を経た支援員が現場で感じている疑問や悩みを共有し、理論と実践のギャップについて意見交換が行われた。
■講演2
「障害の理解、基本姿勢について」(15:15~16:20)

障害理解の基礎として、医学モデルと社会モデルの両視点が示され、障害を個人の問題としてのみ捉えるのではなく、環境との関係性の中で理解する重要性が解説された。
主な内容は以下の通りである。
・障害の定義は一つではなく、多様な視点が存在すること
・発達障害の特性は多様であり、一人ひとり異なる現れ方をすること
・「困った子」ではなく「困っている子」という見方への転換
・支援の基盤は子どもの安心感と信頼関係の構築であること
・環境調整や視覚的支援、生活の見通し提示、肯定的なフィードバックなどの具体的支援方法
講演では、子どもの行動を問題視するのではなく、その背景や環境とのミスマッチに目を向ける姿勢が重要であることが強調された。本内容は新たな知識の習得というよりも、日々の実践を振り返る視点を再確認する機会となった。
■子育て支援員特有の疑問・悩み
本研修では、資格取得後に現場で実践する中で生じる課題として、次のような内容が共有された。
・役割の線引きの難しさ
・自らの専門性への不安
・観察した子どもの姿を保育士へ伝える難しさ
・保護者対応への戸惑い
・チーム内での立場に関する悩み
これらは実務経験を経たからこそ生じる課題であり、本研修はそれらを言語化し、整理する場となった。子どもに近い位置で関わる支援員の気づきが、保育の質向上に直結する重要な役割であることが再確認された。
■研修の成果
・基礎研修での学びを実践と結び付けて再理解することができた
・生活援助が発達支援そのものであることを再確認した
・障害理解における基本姿勢を再整理した
・他施設の支援員との交流を通じ、共通課題の共有が図られた
■今後の展望
・生活場面を発達支援の視点で捉え続けること
・子どもの行動の背景を踏まえた環境調整を意識すること
・観察した子どもの姿をチームで共有すること
・子育て支援員の継続的な学びの機会を確保すること
■総括
本研修は、子育て支援員資格取得後の実務経験を有する支援員を対象としたフォローアップ研修として実施されたものである。基礎研修で学んだ知識を現場実践と照らし合わせながら再整理し、日々の保育実践の意味を改めて確認する機会となった。
講演では、基本的生活習慣支援と発達支援の関連性、障害理解における医学モデル及び社会モデルの視点、並びに受容的・応答的関わりの重要性が示された。参加者は、自らの実践を振り返りながら、子どもの行動の背景に目を向ける視点を再確認した。
また、役割の線引きや専門性への不安、情報共有の在り方など、子育て支援員特有の課題が共有され、それらが個別的問題ではなく、現場構造の中で生じる共通課題であることが整理された。これにより、支援員としての役割の意義と専門性の自覚を深める機会となった。
本研修は、資格取得後の継続的な学びの重要性を再認識するとともに、子育て支援員が安心して専門性を高めていくための基盤づくりに資するものであった。