令和8年度 主任・主幹保育者研修会 を開催しました!

【1】 研修会の概要
・研修会名:令和8年度主任・主幹保育者研修会
・開催日時:令和8年9月25日(金)9:50~15:30
・会場:ホテル青森 3階「孔雀の間」(オンライン配信を併用したハイブリッド開催)
・対象者:会員施設および非会員施設の主任・主幹保育者
【2】 開催目的
本研修会は、世代間のギャップを学び合い豊かな保育を生む環境の構築と、子ども主体の保育の本質を学び指導者としての高い視座と専門性を養うことを目的に開催されました。
【3】 主な内容
【今どきの保育者をどう理解し、どう育てるか】
柴田学園大学短期大学部 学長 島内 智秋 氏

本講演では、「困った若手」から「育ちたい若手」への変容を促す主任の関わり方と、これからの保育者養成のあり方が多角的に解説されました。若手保育者にみられる指示待ちや失敗への恐れ、同じ質問を繰り返す姿勢、報告・連絡・相談の苦手を表面的に「主体性がない」「打たれ弱い」と評価するのではなく、その行動の奥にある発達や育ちの課題として捉え直す視点が提示されました。
指導の側面においては、答えを直接伝える指示・管理中心の「教える(答えを伝える・間違いを直す・評価する)」対応から、自ら考える習慣を形成する「育てる(一緒に考える・見ている・成長を言葉にする)」対応への転換が提唱されました。また、「任せる(問いかけ・相談支援・振り返り)」と「放っておく(丸投げ・放置)」の相違が整理され、育成とは「手をかける」と「手を放す」の適切な調整であることが示されました。具体的な対話手法として以下の3ステップによる声掛けが紹介されました。
・事実の確認:「今、〇〇だったね」と状況を客観的に共有する
・思考の促進:「あなたはどう考えた?」と問いかけ自発性を引き出す
・次の一歩:「じゃあ、次はどうしてみる?」と今後の行動を共に定める
さらに、若手が保護者対応で即答できなかった場面等の具体的なケース事例を取り上げ、若手役・主任役・観察者役に分かれた役割演習(ロールプレイ)が行われました。観察ポイントとして「主任がすぐに答えを言わなかったか」「若手が自身の考えを話せたか」「次の一歩に繋がったか」を点検し、主任自身が答えを渡さず考えさせる関わりを構築することが、若手の成長のみならず主任自身の成長につながるという理解が共有されました。
【変革期の保育をリードする~制度の展望と子ども主体の権利保障~】
鎌倉女子大学 児童学部 児童学科准教授 榊原 久子 氏

本講演では、国の最新制度改革動向や「0歳からの教育ガイドライン」を踏まえた保育の展望と、子ども主体の権利保障を実現するための具体的アプローチが詳述されました。子どもを単なる保護や指導の対象にとどめず、保育を共につくる主体・パートナーとして位置付け、生きる権利、育つ権利、守られる権利に加え、特に「参加する権利」を日常の保育現場において保障することの重要性が強調されました。
2028年の保育指針・教育要領改訂を見据え、単なる行事や活動の追加ではなく、「何をさせたか」から「何が育ったか」へ視点を変え、活動計画中心から子ども理解中心へとシフトし、自発的な遊びの中で協同性や思考力を育むとともに、保育者が「遊びを見る目(解像度)」を高めて環境を意図的に再構成する評価サイクルの確立が示されました。また、乳幼児期の「土台」と5歳頃の「姿」をつなぐメカニズムとして、応答的ケアによる自立心や感情の共同調整による協同性の育成が示されました。脳科学や生理学の知見に基づき、五感を通した実体験や、抑制機能や作業記憶を司る実行機能の発達、セロトニン・オキシトシン等のホルモン分泌を促す日光浴やリズム運動(散歩や体操等)、十分な睡眠と適切な身体活動(1日15分の運動再配分を含む24時間の生活リズム)が、子どもの豊かな成長を支える基盤となることが解説されました。
・0歳児:視線や泣くなどの感情表現に対する応答的ケアと安心感の形成
・1〜2歳児:自己主張を受け止め、感情を言葉に変換することを助ける関わり
・3〜4歳児:仲間との関係の中で協同性やルールを深める支援
・5歳児:失敗を恐れず挑戦できる「失敗する権利」の保障と自律性の育成
現代の孤独な育児環境やマルトリートメントのリスクにおいて、保育施設は単に子どもを預かる場を超え、地域の子育てを支える「安全安心の基地(プラットフォーム)」および「かかりつけ相談先」として、包括的な環境づくりを担うべきであることが示されました。
【4】 まとめ
本研修会を通じ、制度改革に対応した子ども主体の保育実践と伴走型指導の重要性が再確認されました。対話的育成と権利保障に基づく専門的実践を深め、子どもと職員が共に成長できる環境の創出が今後の展望となります。

